新型コロナウィルス感染拡大により高まるインターネットのセキュリティーリスク

新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、インターネットにおけるセキュリティーのリスクが大幅に高まっていると感じます。

具体的には、サイバー攻撃のような社外からのリスクだけでなく、不用意なSNSや掲示板投稿などの、社内よりのリスクです。

卑近の事例としては、もっともらしい団体のもっともらしい投稿に対して、簡単にリツィートをしたり、「いいね!」を押したりして、デマ情報の拡散に協力してしまうことでしょうか。

ついこないだも、赤十字医療施設の医師をかたった新型コロナウイルス感染症に関する情報がFacebook、Twitter、LINE等のSNSやチェーンメールで拡散されました。

それを受けて、日本赤十字社医療センターが4月に公式サイトでスパムであると発表し、注意喚起を呼びかけたことがニュースになったので、記憶に新しい方も多いかと思います。

悪気はなくても

 

結果的にデマ情報をネットで拡散して、医療現場に混乱をもたらしてしまうのは恐ろしい。

何らかの形でネットに情報を紹介する場合は情報の一次ソースを確認することが大切です。その意味でも個人であれ団体であれ、公式サイトの役割は今まで以上に重要となってくると思います。

もう一つのリスクは、自分自身がインターネット上で思わずネガティブな情報を発してしまうことです。

ストレスが溜まる環境下だからこそ、このリスクは高まっているかと思います。

匿名の掲示板や匿名のSNSでの攻撃をやりがちなのですが、これは絶対にやめたほうがいい。

インターネット上の行動において、匿名と言うことはありえません。

何年か前に大手有名掲示板サービスにおける匿名投稿者の実名がネット上にさらされてしまいました。そこでは、思わぬ人物がとんでもない投稿をしていることが暴露されて、世間に衝撃を与えました。

インターネット上での行動は全て足跡をたどろうと思えばたどれる、本人を特定しようと思ったら特定できる、と言う恐ろしい事実を、頭に叩き込んでおいたほうがいいです。

またSNSでの発信者情報の開示を求める流れとして、下記のようなニュースが4月末に流れましたのでご参考までに。
ネット中傷の投稿者の情報開示 総務省が見直し検討 ※NHK公式サイトへのリンク

また後から投稿済みのネガティブ情報を削除しようと思っても、ネットの過去情報すなわちアーカイブを調べるサイトがあるので、事実上、一度ネットに書き込んだら抹消するのは非常に難しい。

SNSといえば2019年5月31日よりアメリカ入国のビザ申請フォームに「SNSアカウントを申告する項目」が追加になりました。

もちろんSNSに書き込んでる内容によって本人の思想や行動をキャッチし、入国審査の判断材料にするわけです。

上記は一例ですが、今後はインターネット上の行動も基準にして、本人の社会的な評価を決める流れは強まっていくものと思われます。

インターネットにネガティブな情報を発信することは、スター・ウォーズの例えで言えば、ダークサイドに足を一歩、踏み入れることです。

新型コロナウィルスでストレスが溜まりやすい今日、ネット上での行動についてはくれぐれも注意喚起をお願いします。

SNSのリスクについては、弁護士の方が書かれた下記の本が参考になると思いますので、ご一読ください。
その「つぶやき」は犯罪です: 知らないとマズいネットの法律知識 (新潮新書) ※Amazon公式サイトへのリンク