札幌の帰省した際に、札幌市内にある2つの観光案内所に立ち寄りました。
1つ目の「北海道さっぽろ観光案内所」は、北海道と札幌市が連携しJR札幌駅西コンコースの北口側に設置している『北海道さっぽろ「食と観光」情報館』の中あり、カフェや物販店、JR総合案内所と隣り合っています。
もう1つの観光案内所は、「大通情報ステーション」。地下鉄南北線「大通駅」コンコース横(出口5横)にあります。
こちらの観光案内所の特徴は、イベント主催者から登録依頼を受けたイベントの告知を、チラシ掲示そしてホームページで行っていることです。
実に多くのイベントの告知がなされています。
情報誌「Weekly press」でイベントスケジュールの配布をしています。
ところで観光案内所の役割とはどのようなことが求められるのでしょうか?
ネットで大半の情報が入手できる今日、交通案内のように「答えがあるもの」についてのみ伝えるということであれば、その存在意義は揺らいでいくかと思います。
凄まじい勢いで進化しているGoogleなどの検索エンジンが、GPS機能や画像・動画とともに、観光客が知りたい答えをネットで提供できるようになりつつあるからです。
そう考えると「答えがないもの」・・・すなわち質問自体があいまいなものやファジーなものへの対応力がいかにあるかが問われます。
例えば下記のような質問です。
・飛行機を1便遅らせて2時間時間が空いたのでオススメの過ごし方を知りたい
・何かうまいものが食いたい
・気分の良いところに行きたい
上記の質問に対して、現状のネットの技術ではまだ満足するレベルの回答をすることは難しいハズ。性別・年代・Web利用の履歴データーが使えることができたにせよ、顔色をみて疲れていそうかそうでなさそうかまでは分かりません。
これらに回答するには質問者に対する観察眼、そして会話の中で相手のコンディション、嗜好やニーズを探るコンサルティング能力が欠かせません。
逆にいえば、相手の属性を把握し、最適な回答をするためには、高度な接客スキルを地域の知識とともに兼ね揃えている人材でないと不可能です。
そのような人材をアサインすることが今日の観光案内所に求められていると考えます。
ちなみにこちらの2つの観光案内所ではそのようなきめ細かい対応があり、わたしの漠然とした相談にも最適なご案内をしていただきました。北海道観光の際はぜひ立ち寄って欲しいと思います。
このように、これからの日本におけるさまざまな地域の観光案内所が、ツーリスト・インフォメーション(Tourist Information)からツーリスト・コンシェルジュ(Tourist Concierge)にその役割を変えていくことが、今後の観光行政に求められることと考えます。