新年のご挨拶と2025年の展望/中小企業におけるDXとは

今年のDXの可能性

新年あけましておめでとうございます。

2025年の幕開けにあたり、本年最初のブログでは、実践フェーズに移ってきた「中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)」についてお話ししたいと思います。

DXという言葉を耳にする機会が増える一方で、その議論はどうしても大企業向けの内容が中心になりがちです。これは、日本でのDXの普及が経産省が2018年に発表した「DX推進ガイドライン」や2024年の「デジタルガバナンス・コード3.0」に端を発するからではないでしょうか。

これらの指針は大企業向けに作成されているため、中小企業には適用が難しい部分があるように感じます。

中小企業の現場を見てみると、そもそもの事業運営に必要な人手が足りず、業務が十分に回っていないケースが少なくありません。

そのような状況下では、新規事業や組織改革といった「DX成功事例」が語られても、現実との乖離を感じてしまう経営者も多いのではないでしょうか。

そのような視点から、今年の活動をブレークスルーさせるキーワードを以下の3点について、新年考えてみました。

1.中小企業にとってのDXは「自動化」から始めるべき

わたしは中小企業のDX推進を「改革」という漠然とした大きな目標ではなく、まずは「自動化(オートメーション)」から始めるべきだと考えます。

「自動化」と言うと効率化だけを追求するように聞こえるかもしれませんが、それが目的ではありません。

その結果として生み出される時間で「人が考える余裕」が生まれる。そしてこの時間が経営者や社員に新たなリソースを与え、働き方やサービスの進化、ひいては企業や社会のあり方を変える行動につながることが大きいと思います。

少子高齢化に伴い人手不足はさらに深刻化していくことは間違いない。だからこそ、中小企業は今のうちから環境の変化に備え、自動化を取り入れながら、人の労働を最小限に抑える新しい経営基盤を構築する必要があるはず。

自動化を進める上では、いうまでもなくデータのデジタル化やSaaS・APIの活用、業務フローの見直し、そして担当者の意識改革が重要です。そして、ここで欠かせないもう一つのキーワードが「AIの活用」です。

2.AI活用の未来と組織設計の変革

AI技術はこれまで、コンテンツ生成など主にクリエイティブ分野で注目を集めてきました。しかし今後は「自動化」や「省力化」を支える存在としての役割が一層重要になっていくと考えます。

例えば、ChatGPTやPerplexityのような生成AIを取り入れた「業界リサーチ & 提案内容のサマリ案作成」から、Claude(クロード)やCanvaのようなAIコンテンツ生成ツールにて「提案書のライティングを行う」など。

AIツールを組み合わせることで、自社に効率的にフィットしたリサーチからレポート作成~提案スライド出力まで一気通貫で行えることがあげられます。

さらにいえば、AIを中心とした新しい組織設計が進むことで、従来の業務プロセスや働き方を見直す動きが加速するはず。そう考えるとこれからの中小企業には、AIと協働することにより経営を刷新する柔軟性が経営者に求められると確信しています。

3.地域エコシステムを通したオープンイノベーション

昨年のブログでも触れましたが、オープンイノベーションはこれまで、大企業と技術力を持つベンチャー企業との連携が主流でした。しかし、この枠組みを超え、「外と内(自社)との関わり」という視点で捉えると、さまざまな連携の可能性が見えてきます。

特に、業種を問わず、地域との連携や貢献がこれまで以上に重要視される時代です。地域社会を支える「エコシステム」の中で、自社がどのように関わり、価値を提供できるかを考えることは、中小企業にとって欠かせないテーマかと。

地域との連携は、単なるCSR活動にとどまりません。地域の課題解決に寄与することで、信頼性やブランド価値が高まり、新たなつながりやビジネスチャンスが生まれるはず。このような視点を持つことが、中小企業の持続的な成長に繋がると確信しています。

(ご連絡)CES2025参加予定と今後の展望

話しは飛びますが・・・2025年1月には、米国ラスベガスで開催される世界最大級のIT展示会「CES」にリアル参加予定です。現地で最先端の技術に触れることで、DXやAIがどのように進化していくのか、さらに深く考察していきたいと思います。この体験については、また別の機会に何らかの形でご報告させていただきますので、ぜひご期待ください。

2025年も引き続き、企業の未来をともに考え、発信してまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします!