2000人以上の経営者を見てきた気鋭の税理士さんによる経営指南書。
多くの似たような本は、経営者の「やるべきこと」にスポットを当てています。
しかしこの本は経営者の「やらなくていいこと」にフォーカスしているのが斬新で、だからこそ多くの発見があると感じました。
中小企業の経営者の在り方について語られていますが、一番ピンと来たのが冒頭に記されている「経営理念」について書かれた章。
エイチ・アイ・エスの澤田会長の理念への考えとして、次のような言葉が紹介されています。
企業理念なんて大層なものは要らない。大事なのは利益を出せるかどうか。まずは3年間、利益を出し続けなさい。そうすれば、会社の存在意義や企業理念などというものは、後から自ずと出来上がってくる
自分自身、経営者の勉強会には色々参加しているのですが、経営理念についての重要性がとくとくと語れて、何か違和感を感じたことがあります。
もちろん理念が重要であることは、いうまでもないことです。
しかしどこに行っても経営理念の大切さが多く語られる中で、お題目より先に行動することの大切さを説く本、そして人や場は、意外に少ないと感じています。
何はともあれ、行動こそがもっとも大切なことではないのでしょうか?
格好良い経営ごっこをめざすのではなく、地道に利益を出していく商人として、経営者がどうあるべきかの参考として学ぶことがありました。
これ以外に自分が参考になった章として
- 社長は管理業務をするな
- 信用は「カネ」で買う
- 事務員はパートで十分
- 事業計画はつくるな
- 従業員の意見は聞くな
- 管理部門に「カネ」と「時間」をかけるな
- 上場企業の研究はムダ
- 理想のモデルは教祖
- 人に会わなきゃ商売にならない
少人数でやってきて、これから経営のステージを1つ上げたい経営者にオススメと思いました。