2023年のトピックスですが、ニューヨーク・タイムズ紙が「今年行くべき52カ所」の一つに日本の盛岡市を選んだことはYahoo!ニュースなどでも報じられたので記憶に新しいことと思います。地方都市である盛岡が世界的なメディアに取り上げられたことは、地域の魅力を発信するうえで多くのヒントがあると思うので、感じたことをまとめてみようと思います。

ちなみに「52カ所」の選出には、ニューヨーク・タイムズ紙の寄稿者であり、影響力のあるライターであるクレイグ・モド氏の推薦が大きく関与しています。過去に盛岡を訪れて街の魅力に心を打たれた氏は、その経験をもとに記事を執筆。結果として、世界に向けて盛岡が発信されたわけです。
選ばれる理由は多面的な街の「魅力」があってこそ。自然の風景美や食べ物の美味しさはいうまでもありません。盛岡において特筆すべきは、それらに加えて地元にコーヒーの文化が根付いており、多彩なカフェ・喫茶店の存在があることです。

わたしもカフェの名店「Nagasawa COFFEE」に足を伸ばしたのですが、オーナーがこだわりをもって探し出したドイツ製のレトロな焙煎機が店内に置かれ異彩を放っています。

コーヒーも何種類も選べる楽しさとともに風味豊かで良い時間を過ごすことができました。
連れていっていただいたタクシーの運転手さんがいうにはこのような特色ある喫茶店やカフェが、盛岡市内に数多くあるとのことでした。
また市内を歩いていると伝統建築の数々が。東京駅を設計した辰野金吾氏による赤レンガの旧・岩手銀行本店は、いまは誰でも見学が自由となっています。

また言わずと知れた宮沢賢治ならびに石川啄木を輩出した岩手県であるため、両氏を深く理解するための施設などもあります。こちらは「啄木新婚の家」で啄木が新婚時代を過ごした家の中で数々の資料が展示されています。

盛岡での滞在は3泊4日と短かったのですが、現地で見聞きした経験を踏まえて、地方都市の魅力発信について重要だと考えられるポイントを書こうと思います。
1.地域の魅力の伝え方を考える
盛岡市の魅力は現地に行って感じたのですがズバリ「歩いて楽しいこと」。これは冒頭の画像のように駅前の看板のキャッチコピーにも使われている表現かつ、クレイグ・モド氏も語っていることです。盛岡市の場合、歩く楽しさは市内の伝統建築やカフェ・喫茶店の紹介を通しても伝わってきます。歩いて見て回れるところがあり、また疲れたら休むところがある・・・そう考えると「独自の魅力を掘り下げる」ことと「それをキャッチコピーと具体例で伝える」ことをセットで検討することが必要だと考えます。2.ターゲットに響くキーワードを検討する
クレイグ・モド氏が「東京から新幹線ですぐ行ける」と表現したように、ターゲット層に響くキーワードを見つけることが大切です。大半の地方都市は大都市圏をターゲットにしていると思うので、その場合は「アクセスの良さ」を伝えることは極めて大事ではないでしょうか。わたしも盛岡(初訪問!)が東京からわずか2時間ちょっとだとは、現地に行くまでは思いもよりませんでした。またそれだけ近いのであれば東京にトンボ返りも出来るため、今後ちょっとした余暇であっても行き先候補となった印象です。
3.弱点をメリットに変える発想
著名な観光地でない場合でも「オーバーツーリズムの影響を受けていない」というメリットに転換するように、弱点を逆手に取る発想も重要です。「人混みがない」という点は、オーバーツーリズムに悩む現代において、大きな魅力となる可能性があります。他の観光地にはない魅力を前面に出すことで、独自の価値をアピールできます。
これらのポイントを踏まえ、盛岡市のように地域の魅力を発信することで、地方都市は新たな可能性につながる展開も期待できるのではと考えます。
最後にとても重要なこととして「都会的なもの」の存在。盛岡市の場合では上記のようなカフェ・歴史的建築物がそれにあたるのですが、これはものすごく大事なテーマなので別の記事でじっくり述べたいと思います。
参考となる外部リンクはこちら
岩手県公式サイト/ニューヨーク・タイムズ紙「2023年に行くべき52カ所」に「盛岡市」が選ばれました!!