企業のホームページに掲載するコンテンツについては、その会社の「過去・現在・未来」が全て述べられているとバランスが良いと考えます。
過去については沿革ページ、また現在については会社概要ページを中心とした通常のページで語られていることが普通で、ここまでは異論はないと思います。
問題は「未来」について。
会社の未来を語るにあたっては存在意義や価値提供、今後の事業内容や採用方針などいろいろな切り口があります。それら全てに横たわる大きな指針を、代表メッセージや理念・ビジョンの形で伝えていることが多いはずです。
いずにせよ「未来」については、経営者が自らの会社をどのような姿に変えていこうかという強い思いがベースになっていると思います。
年がかわり、その考えをブラッシュアップされている経営者も多いと思います。ただ当然ながら経営環境としての「外部要因」も考えなければなりません。
変化の激しい時代なので、自社の提供するサービスと市場の見極めなどは、経営の最重要課題としている方も多いのではないでしょうか。
ところで会社の「未来」を考える上で、参考になりそうな本として(いずれも昨年出版されて話題になった本なので目を通された方も多いかと思いますが)二冊ご参考までに紹介します。
一冊目は「ひふみ投信」創業者の藤野英人氏による『プロ投資家の先の先を読む思考法』(クロスメディア・パブリッシング)
今後の市場など「先の先」を読むために、経営者はどうあるべきか、またどのように判断する材料を集めれば良いのか。
企業にとって「ウェルビーイング」が力強い成長戦略になることなど、投資家/ファンドマネジャーとして数多くの企業を見てきた経験から、これからの会社の姿と経営者の在り方について述べられています。
もう一冊がリクルート出身で35歳で東商一部に上場した㈱じげん創業者の平尾 丈氏による『起業家の思考法――「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』(ダイヤモンド社)。
こちらの本では起業家の思考法の中心となる「別解力」がメインとして述べられています。別解力とは「自分で問題や課題を発見し、その答えのない問いに対して自分の持ってる知識や経験を活用して、自分なりの答えを見出していく力(p.44からの引用)」と定義されています。
右肩上がりの経済成長の時代はとうの昔。正解がない時代だからこそ求められる「別解」を見つけるためのヒントが経営経験に基づいた31の手法の形で詳しく載っています。
両書とも「自分に対しての問いかけ」という点が共通しています。はじめに紹介した藤野氏の著書では
成長する企業とはどんな企業かと尋ねられたら、私は「Why(なぜ)を考え続ける会社」だと答えます。(p.110からの引用)など。創業経営者による本なので、道のない中に道を作って歩んでいる経営幹部の方は共感する内容が多いはず。
なお企業の「未来」についてのホームページのコンテンツを検討するにあたっては、いつもの社内メンバーだけではなく、社外の専門家から客観的な意見を聞くことも思いがけない発見につながります。
さきほどの藤野氏の著書における「拡大思考1」の章でも他社の視点を取り入れることの重要性を説いています。
会社の「未来」の姿とその情報発信について検討をされている方は、私も創業経営者のため同じ目線でディスカッションもできますのでご連絡をお願い致します。
関連リンク
『プロ投資家の先の先を読む思考法』(クロスメディア・パブリッシング)※Amazonホームページへのリンク『起業家の思考法――「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法』(ダイヤモンド社)※Amazonホームページへのリンク