米Appleの2022年度第1四半期の売上高が約1239億4500万ドル(約14兆3千億円)、四半期ベースで過去最高の数字だったことは大きなニュースとして流れました。
今年はじめにAppleの株価が時価総額3兆ドル(約345兆円)を超えて、東証一部合計の半分に迫った際にも共通して語られていることとして
いまや企業の実力は無形資産の質によって左右される
があります。
ここでいう無形資産とは、 特許や商標などの知財権だけではなく、ノウハウや技術、ブランド、デザイン、マニュアル、人材教育、データなど、目に見えないが付加価値を生み出すこと一切合切を指します。
ところで無形資産にフォーカスした経営への政府指針として、先日「知財・無形資産ガバナンスガイドライン」が内閣府から発表されました。
「知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドライン(略称:知財・無形資産ガバナンスガイドライン)Ver1.0の策定」(首相官邸公式サイト)
こちらの資料では情報発信についてもいくつか言及されており、例えば「戦略の構築・開示・発信の重要性」の章に次のような記述があります。( P24-25からの引用)
重要なことは、将来の成果に対する不確実性が残る知財・無形資産の投資・活用戦略の基本的な方針やその監督の在り方、さらにその進捗を競争優位にマイナスにならない範囲で丁寧に開示・発信し、投資家等との対話・エンゲージメントを促すことにある点に留意すべきである。
端的に要約すると、各企業は無形資産の実力を積極的に発信すべきということです。
無形資産の実力は「企業の強み」と言い換えることができると思います。留意すべきポイントとして、「強み」の具体的なサービス・製品化もさることながら、「強み」そのものを、シーズの段階から情報発信することの重要性です。
この資料は前書きに書かれているように大企業を中心とする上場企業向けです。そのため情報発信の相手先が投資家や金融機関となっています。
しかし中小企業においても対象があらゆるステークホルダーになるだけで、基本は変わらないのではないでしょうか。
なにはともあれ情報発信の行動が無形投資となり、無形資産が築き上げていくことにつながると考えます。
ちなみに無形資産の情報発信の幅をもう少し拡げて、会社の強みや利益と離れた「非財務情報」の発信についても最近良く語られるようになりました。
しかしながら、大半がサステナビリティについて、特にISSB(国際サステナビリティ基準審議会)関連の情報に終始している印象です。
それはあくまでも上場企業の話しで、中小企業はその前に発信すべき情報があるのではないでしょうか。
ちょっと長くなってしまったので、このテーマは次回のブログ(ならびにいつも配信しているメルマガ)でお伝えしたいと思います。
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