話題の本、『オルタネート』(加藤シゲアキ著)を、年末の休みにやっと読むことができました。
非常に強いインパクトを受けました。
3人の高校生を軸に語られる小説なのですが、昔ながらの高校生活のシーンと、今日ならではの高校生限定のマッチングアプリ、料理コンテストのネット番組、アプリのAIによるパートナーのマッチングなどが、見事にはまっている。
SNSやAIが小説の舞台であっても、われわれの日常においても、もはや生活の一部であることを再認識させてくれます。
また五感に訴える記述が多く、バンドのステージの音、料理コンテストで作るグルメの味、そして園芸部の土の匂いまでもが伝わってくる。
メディアとして情報が一番多いのは、音とビジュアルを双方提供する動画やVR・AR・MRと思っている人が、ぼくを含め多いと思います。
しかしこの本を読むと、実は文章なのではないかと思わされます。
逆に言えば何のメディアであれ、それに向き合う人のイマジネーションをかき立てることに成功すれば、提供する情報以上のものが、そこに加わり、強い印象を与える。
それはある意味、作り手と受け手の共同作品となり、忘れられない記憶になるからでしょう。
また、この本は出版社の公式サイトもあり、あらゆる商品やサービスのプロモーションにホームページが必須であることを再認識させてくれます。
特に制作やメディア関連に携わっている方は一読をお勧めします。